システムトレード

聖杯EAは幻想か

2020年10月5日

そもそも聖杯ってなんだ?

FXの自動売買プログラムといえば、メタトレーダーのエキスパートアドバイザー(EA)が最も有名でしょう。

(cTraderだとcBotと呼ばれますが、残念ながらこっちはあまりメジャーではありません。)

10年でも20年でもほったらかしでどんどん資産を増やしてくれる、そんな夢のようなEAは「聖杯」と呼ばれたりします。

 

聖杯欲しい

そりゃ欲しいですよね。誰だってほしいです。

特に自動売買初心者は何も考えずに聖杯EA探しをしてしまう傾向があるように思います。少なくとも私はそうでした。

「だって、なにも考えずに設定してポチっとしとけばお金増えるんでしょ?」みたいな。

バックテストやフォワードテストの結果みて、よさげなEAが見つかったと小躍りしながら適当に運用始めたら、大き目のドローダウンくらって、「くそっ!またハズレかよっ!」なんて思って運用停止しちゃったり。

 

 

あなたが探している聖杯はない

こんな昔の私みたいなことしてる人、もしいたら覚えておいてください。

あなたが探し求めている聖杯EAは存在しません

 

嘘だっっっ!

そう叫びたくなる気持ちはわかります。落ち着いてください。なにも聖杯が存在しないといってるわけではありません

「いやいや、俺は聖杯EAで勝ち続けてるし・・・」という方も実際いるでしょう。そのEA譲ってください。

昔の私が「探し求めていたような聖杯」がないというだけです

何が言いたいかというと、昔の私のような初心者の方は気づかぬうちに探してる「聖杯」の定義がおかしくなっているのです。

 

聖杯=どんな相場でも負けないEA?

ちょっと検索すれば「実運用で1年で資金を倍にしました!」くらいのEAは山ほどあります。

「10年間トータルで勝ち続けてます」みたいなのもみつかるでしょう。聖杯の定義って何でしょうね。

1年で倍じゃ物足りないですか?もしくはドローダウンがわからなければ判断できないですか?

資金がこのくらい増えれば、もしくはドローダウンがこれ以下とか、SQNスコアが7.0以上とか、聖杯としての定義は人それぞれだと思います。

今回のテーマはそこじゃないのでその辺は好きに考えていただいてかまいません。

 

問題となるのは無意識のうちに「どんな相場でも負けないEA」を探してしまってることなんです。

 

Let's ロールプレイング

「いやいや、さすがにそれはないよ、いくら聖杯と呼ばれるEAだって好調不調があるのくらいはわかってるわ」という声が聞こえてきそうです。

では、ここで一つ考えてみてください。フォワードテストの結果であなたが考える成績の条件を満たす聖杯EAが見つかったとしましょう。あなたは嬉々として推奨ロットで運用を開始します。

 

どう運用しますか?

好調期

さすが聖杯EA。見てて気持ちいいくらい連勝してます。この調子が続けばこれまでのフォワードテスト以上の結果も期待できそうです。

さて、次にあなたの取る行動は次のうちどれでしょうか?

 

①ロットを上げる

「せっかく勝てるのに、こんな小ロット運用じゃもったいない!ガンガンいこうぜ!」

 

②そのまま運用を続ける

「今は勝ててるけど、相場はわからないからな。このまま淡々と運用を続けよう。」

 

③ロットを下げる or 運用停止

「勝ちすぎてて怖いから、ちょっと取引控えようかな。」

 

不調期

どうも調子が悪いようで、今まで見られなかったような連敗も見られます。

過去データの最大ドローダウンには遠く及びませんが、運用開始以来の最大ドローダウンは何度か更新しています。

さて、次にあなたの取る行動は次のうちどれでしょうか?

 

①ロットを上げる

「いや、これだけ負けてるから次は勝てるはず!ここが勝負所!」

 

②そのまま運用を続ける

「まあ不調の時もあるからな。このまま運用を続けてみよう。」

 

③ロットを下げる or 運用停止

「無理!こんな負け方ありえない!なにこれ怖い!」

 

さてあなたの選択は?

こう書くと、当然のように②を選んだ方が多いのではないでしょうか。

そう、もしそれがフォワードテスト通りの結果を出せるEAだった場合、正解はどちらも「②そのまま運用を続ける」です

ロットを下げるのはいいんじゃないの?と思うかもしれませんが、結局EA本来のリターンを得られないため適切ではありません。

 

じゃあ、実際は?

「こんなの当たり前じゃん!」と胸を張って言える方は、おそらく自動売買で失敗したことがない方でしょう。

こう書くと当たり前に感じるのに、多くの人が結構な確率で、好調期に「①ロットをあげる」、不調期に「③ロットを下げるか運用停止」という選択をします

(逆に好調期に③、不調期に①を選択できる方はギャンブラーの方が向いてると思います。)

それにより、淡々と同じロットで続けていれば得られたはずの本来のリターンを得ることなく聖杯EAの運用を終えるわけです。

 

そしてこう思うでしょう。

「ああ、今回も聖杯じゃなかった、次を探さなくては」

 

どんな相場でも負けないEAなど存在しない

当然のことですが、どんな相場でも勝ち続けるEAなんて存在しません。聖杯EAだって負けるんです。

バックテストやフォワードテストでは負けてるのも見て、最大ドローダウンだって確認してたはずなんです。そしてそれを受け入れて運用を始めたはずなんです。

でも、いざ運用を始めると過去の最大ドローダウン以下のドローダウンにもかかわらす、直近の成績と比べてちょっと負けてると慌ててしまう。ちょっと調子いいとハイリスク運用をしてしまう

これっていつのまにか「聖杯EAだったら負けないはず」と心のどこかで思っちゃってませんか?

 

そりゃ見つからないよね

「負けないはずと思ってるわけではないけど、やっぱ負けると不安になるだろう!」

そういう気持ちは確かにわかります。ですが、少し負けることによって聖杯だと思ったはずのEAに疑いを抱いてしまってるのは事実です。

そして、それで運用をやめてしまうのであれば、結局探し求めてるのは「負けないEA」ということになってしまいます。

それではいつまでたっても探し求める聖杯EAは見つからないわけです。

 

 

でも聖杯は存在する

実際に適切なロットで淡々と運用を続けて、長い期間勝ち続けているEAは確かに存在します。

もしかしたらあなたがこれまでに運用をやめたEAの中にもあったのかもしれません。

実は他の人の実績を見たら同じEAでものすごい利益が出てた!とか・・・できれば知りたくないでしょうけど。

 

問題の根本はEAを信じられてないこと

「なんで過去の実績見ると優秀なEAは多そうなのに、自分は聖杯と呼べるEAに巡り合えないんだろうか」

そんなことを思ってる人に足りないのはズバリ「EAを信じる強さ」です。

EAを設定まで含めて本当に信じられれば、自分勝手に変にロットを変えたり、運用をやめたりすることもないでしょう。

上の選択肢でもためらいなく「②そのまま運用を続ける」を選べるはずです。

それではじめて、優秀なEAは本来持つ力を発揮できるようになるのです。

 

結局、聖杯とはなんなのか

優秀なEAとそのEAを信じることのできる運用者が合わさって初めて聖杯と呼べるようなEAが出来上がると私は思っています。

そのEAが信じられないなら、どんなに優秀なEAでもおそらく途中で変なことして運用停止に追い込まれるでしょう。

また信じられたとしても、EA自体がダメになってしまったとしたら、気づいたら口座破綻してるかもしれません。

どうなるかはわかりません。でも信じないことには聖杯にも出会えません。

EAを強く信じることではじめて聖杯EAを見つけることができるのです。

そのEA、信じてみませんか?

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